アフガンで麻薬工場破壊 露部隊、21年ぶり軍事作戦参加
アフガニスタン東部のパキスタン国境に近いナンガルハル州でこのほど、北大西洋条約機構(NATO)軍とロシアの麻薬取り締まり部隊が、薬物製造工場4カ所を破壊する大規模な作戦を実施した。ロシア当局によると、作戦には約70人の将校らと複数のヘリが参加しており、ロシアにとっては旧ソ連軍が89年にアフガンを撤退して以来の本格的な軍事作戦への参加となった。しかし、アフガンのカルザイ大統領は「ロシアには軍事行動の許可を出していない」と反発している。
作戦は同州のアチン郊外で10月29日に行われ、ロシア麻薬統制局のイワノフ長官が同日、発表した。インタファクス通信によると、作戦ではヘロイン約1トンが押収・処分された。同長官は「今後さらに将校を首都カブールやバグラム、カンダハルに送るつもりだ」と述べ、アフガンの麻薬取り締まり作戦に積極的に参加していく意向を表明した。
ロシアのラブロフ外相も30日、訪問先のハノイで、29日の合同作戦について「よい結果がもたらされ、我々は満足している。米露は(アフガンでの)麻薬密輸やテロとの戦いを続行することで一致した」と述べた。
01年に米軍などがアフガンに軍事介入した後も、ロシアは復興や治安維持へ向けた国際的な取り組みへの参加には消極的だった。ソ連時代のアフガン侵攻(79~89年)の失敗がトラウマになっているのが主な背景だが、今回の大規模作戦への参加は、ロシアがアフガン復興への積極関与にかじを切ったことを示す出来事といえる。
ただ今回の作戦について、アフガンのカルザイ大統領は30日、関知していないとして不快感を表明。カルザイ政権は旧支配勢力タリバンとの和解交渉を進めている最中で、タリバンの資金源となっている麻薬産業の破壊を外国軍が強行したことに反発している模様だ。
カルザイ政権の反発に加え、旧ソ連のアフガン侵攻の経験から住民のロシア人に対する反感は今でも改善されておらず、アフガンへの「ロシア復帰」は一筋縄ではいきそうにない情勢だ。